2015年3月18日水曜日

第4回”あいのり”報告

1月に続き、3月14日~15日の2日間、4回目の「あいのり」企画を行いました。あいのりは首都圏から乗り合いでボランティアへ行く計画で、往復の交通費を割り勘とすることで移動コストを低く抑えるとともに、ボランティア不足が慢性化している被災地に効率的に人材を投入することを目的としています。
今回のあいのりは計6人が参加し、東北ほっとプロジェクトのメンバーを除く4人に合計13500円の補助金を支出しました。ご支援いただいた皆様のご寄付あっての補助金です。改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。


今回の6名が宮城県石巻市で行った活動は、農業支援(網地島)やお茶っこバス(石巻市内)などで、いずれも現地の支援団体(社)チーム王冠が行うプロジェクトの手伝いです。

チーム王冠は東日本大震災のあとで支援活動を開始した小さな組織です。震災直後、避難所での炊き出しや物資提供を行う中で、避難所に来ない(来れない)人、つまり自宅にいる被災者に十分な食料や物資が届いていない現状を知った代表が、いわゆる在宅被災者を対象とした支援活動を開始。その後4年間、仮設住宅に移り住む道を絶たれ、支援の網からこぼれ落ちた在宅被災者に対して、包括的な支援活動を続けています。


「在宅被災者」については、中日新聞の連載記事(3月10日~12日)に詳しいので、是非ご覧いただきたいと思います。

『家は残ったけれど・・・」東日本大震災4年 集中連載 中日新聞本社 安藤明夫記者
(1) 3月10日 【上】直せない 応急修理で不便に耐える
(2) 3月11日 【中】意欲が出ない
(3) 3月12日 【下】継続が力

※中日新聞webより


在宅被災者は石巻市だけでも5000世帯、12000人がいると推定されています。当然ですが、石巻市だけの問題ではなく、被災地であれば同様だと思われますが、その存在はいままでほとんどマスコミに取り上げられることがありませんでした。
在宅被災者は「応急修理制度」による公的な助成金52万円を受け取ったがために仮設住宅に入居する道を絶たれた人たちで、今のところ、ほとんど自費で家を修理するか、できる範囲の簡単な修理で今をしのぎながら、建設の進まない復興公営住宅に入居できる日を待つしか選択肢がありません。

いまからでも遅くないので、世間的に在宅被災者の存在が認知され、国レベルの援助が早期に実現することを望みます。

在宅被災者を取り巻く環境について詳しくレポートされた書籍があります。是非ご一読ください。
岡田広行著 『被災弱者』 岩波新書刊

2015年3月8日日曜日

ネット報告会(後編)の動画が公開されました

1月31日に配信した「ジャーナリストによるネット報告会(前編)、『被災弱者』~復興と停滞の現場から~」の後編が、2015年3月7日夜19時から、ネット中継で放送されました。

報告者は引き続き東洋経済新報社の岡田広行記者です。岡田記者は最近、岩波新書から「被災弱者」を出版されています。こちらも是非読んでみてください。

▼ネット報告会後編(2015年3月7日配信)






・在宅被災者が生まれた経緯
・在宅被災者はなぜ仮設住宅に移り住まないのか
・在宅被災者はなぜ公に認知されないのか
・災害対策基本法とその改正
・住宅再建(修理)に関する補助事業
・国の政策としての「復興事業」とその問題点
・罹災証明書の重要性と認定、発行について