2014年7月7日月曜日

「あいのり」でのボランティア参加

記 : 杉崎 庸子

被災地でのボランティアの人数が激減していることを受けて、1人でも多くのボランティアを送り込むべく、いつも連携している石巻のボランティア団体「一般社団法人 チーム王冠」を通じてリピーターに呼びかけ、自家用車2台の乗合いでボランティアに参加しました。
計画中にいつの間にか、呼び名が「あいのり」になりました。

日 程 : 6/21(土)・22(日)2日間
参加者 : 6名 (うち2名は東北ほっとプロジェクトの杉崎順一と庸子)

活動日の前日(金曜日)の深夜に東京と横浜を出発して車中泊、1泊はチーム王冠のサポートセンターでゆっくり寝たものの、22日の活動後はまた車で戻るという強行軍でしたが、皆さん「またボランティアに参加したいと思っていた」というだけあって、「熱い心と冷静な頭」を持ち合わせた方たちでした。

東北ほっとプロジェクト以外の4名の方に、今回のボランティア参加についての感想を伺いました。


◆60代男性 神奈川県在住

二か月ぶりの活動参加、今回は二日間と短期でしたが、漁業・離島支援を担当、他も被災者宅清掃・コニュニティーバス他ニーズは多く、相変わらず人手不足、活動が追いつかない状況。特に漁業は養殖の種付けに向け、わかめ・ホタテ・牡蠣・海鞘(ホヤ)等の陸上での仕掛け作りに人手が不足している。
漁村部は家屋流失が甚だしく、高台移転も遅々として進まず、造成完了した区画でも水道管引込みの見通しが立たないという状況有り、新たに家を建てる状況に至らないことも。浜に戻る人戻らない人等働き手の未通しが難しく、まだまだボランティアの手助けを必要としている漁業関係者は沢山居ます。
被災地の風景は復興に向け日々進んで見えますが、一方で被災当初の家屋に修復もできず住続けている方々も多い状況です。
あの人の手伝いも、この人の手助けも・・・。なれど人手がない為、手助け出来ないもどかしさを改めて痛切に感じた二日間でした。


◆40代男性 東京都在住

「被災者の方のお役に立てることがまだまだある。被災地はボランティアを必要としている。」

今回1年振りにボランティアに参加して、率直に感じた感想です。
チーム王冠を通じてのボランティアは、身体を動かす「仕事」に近い活動が中心。今回は漁業支援という形で地元の方と一緒に作業場で活動してきました。

初めて参加したときは「これってボランティアとしてやる活動なのかな?」という戸惑いを抱いた記憶があります。でも数日活動してみることですぐに理解できました。

本来そのコミュニティにいたはずの方が、震災という出来事によりその場からいなくなってしまった。今必要とされているのは、元々はそのコミュニティの中でまかなっていた活動を支援してくれるボランティア。
震災から3年が経ち、がれきは片づけているものの、本来、人・建物・コミュニティがあった場所が、津波のために何もなくなってしまっている現状を目の当たりにする。
今は笑顔で生活している地元の方が、作業中にふと被災したときの状況や今の苦労を語りはじめる。

「現地の人のために」ボランティア活動を行うことが、「自分のため」の貴重な体験になっていて、これからも参加していきたいと思っています。



◆30代男性 東京都在住

これから被災地に行くあなたへ

滅茶苦茶に破壊された学校、沢山の名が刻まれた慰霊碑を目にすると、津波の恐ろしさ、愛する家族や親しい友人を失った人達の悲痛な思いが、TV報道にはない圧倒的なリアリティーを持って襲いかかってきます。自分の目で見て、場の空気を感じることの大切さを身に染みて感じる事が出来ます。

震災から三年が経過しましたが、震災で失ったモノを自力で取り戻すことが困難な方々がまだまだ沢山います。むしろ、たった三年では元になんか戻せません。

私は津波で数千万円規模の損失を被った宮城県石巻の漁師を訪問し、漁具作成や作業場修復のお手伝いをしました。回復にお金をかける余裕がないにも関わらず、遠く離れた福島原発の風評被害で売上が減少し、現状維持すらままなりません。それでも必死に前に進む姿を目にして、また来ようと思いを新たにしました。

難しく考える必要はありません。あなたに出来ることが必ずあります。私達と一緒に復興のお手伝いをしませんか?


◆20代男性 東京都在住

6月21,22日のチーム王冠でのボランティア活動を終えて

自分が初めてチーム王冠でボランティアに参加させていただいたのは、2013年9月のことで、今回約1年ぶりに活動させていただきました。
今回の活動を通して最も感じたことは、1年という時間が過ぎたのにもかかわらず、前回と比べてどこがどう進展したのかが分かりにくいほど復興が遅々として滞っているということです。このような状況になってしまうのは、やらなければならないことが元々膨大にあるということはもちろんのこと、ボランティア参加者が激減しているということにも原因があると思います。限られた人手では、いくら時間があっても状況を著しく改善するのは難しいでしょう。

かくいう自分も、この1年間で現地に対する関心が鈍くなっていました。それはきっと自分にはいつもと変わらない日常があるために、日常生活を取り戻すことが難しい人がどこかにいるという実感がなくなっていくからだと思います。
この感覚を皆で共有するために、今こそ少しでも多くの人が現地に足を運ぶことが大切なのだと思います。

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今回の「あいのり」は、初めての試みということでリピーターボランティアの方を中心に呼びかけましたが、今後機会があれば、ボランティア初心者の方も参加していただきたいと思っています。

「ボランティアに参加してみたいが、何となく不安、自信がない」とか、何か聞きたいことなどありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
東北ほっとプロジェクト mail : tohoku.h.p@gmail.com
杉崎庸子 mail : sugisaki@shichiya.biz