2013年2月1日金曜日

暖房器具支援続報と現地活動

「みなし仮設」「借上げ仮設」と呼ばれる民間の賃貸住宅を仮設住宅として利用する被災世帯の中に、他と比べ情報や支援の手が届きにくく、また経済的に苦しいため今現在も厳しい寒さを我慢している方々がいることがわかり、我々のプロジェクトとして必要最低限の暖房器具を支援することを決めたのは既報の通りです。

1月30日、石巻市を中心に草の根的な被災者支援活動を続ける一般社団法人チーム王冠のボランティア活動に参加し、暖房支援についても話し合ってきました。チーム王冠にはフォローしているみなし仮設世帯の中から喫緊で支援が必要な方々のピックアップと、暖房器具の選定、配達などで協力をお願いしています。
彼らは毎日集まる膨大な支援のリクエストを集約し優先順位をつけ、少ない人員をやりくりして一件一件こなすという多忙な毎日を送っていますが、そんな中でみなし仮設向けの暖房支援については、今月(2月)上旬までに少なくとも3~4軒はお届を完了する予定とのことでした。

具体的な暖房の種類は支援対象の状況を見て判断します。独り用コタツや掘りごたつ用床置き型ヒーターなどを考えていますが、津波を被ってヒーターが使えなくなったコタツをただのテーブルとして使っている人もいるので、その場合には、ヒーター部分だけを交換して活かすということも考えています。
いずれにしても器具選定を含め、被災者からの信頼も厚いチーム王冠のスタッフがきめ細やかに対応してくれるので、 ご寄付を預けて頂いた皆様にはご安心いただきたいと思います。お届けが完了したのち、改めてご報告いたします。


さて、1月30日はチーム王冠が取り組んでいるボランティアの手伝いということで、石巻で活動してきました。
今回は「お茶っこバス」を任されました。お茶っこバスについては過去の記事をご覧いただければありがたいのですが、震災によって失われたコミュニティーの再生や住民同士の横のつながりを絶やさないための支援活動です。いわば出張型井戸端会議サポーターで、傾聴ボランティアという側面もあります。
ある程度長期的に携わってくると、被災した皆さんからお聴きできる話に少しずつ変化が出てきたことに気付かされます。最近では色々なリクエストが出てきて、それは例えばカラオケであったり近所の日帰り温泉であったりしますが、そんな「あれがしたい」「ここに行ってみたい」というお話は以前はなかなか聞けませんでした。それはボランティアである我々に遠慮されていたということもありますが、時間の経過とともに心に余裕が出てきたとも言えるのではないでしょうか。
また、特にカラオケは数少ない娯楽の一つで、ある方は震災前にはよくカラオケボックスにお友達と連れ立って行っていたそうです。つまりカラオケは震災前の日常生活の一部であったわけで、カラオケによって震災までのごく当たり前の楽しい日常がよみがえるのかもしれません。
こんな小さい変化に気づいたとき、被災地も少しづつ復興に向けて歩みつつあるのだなと思います。ただ津波で破壊されたカラオケ店はまだ再建していないことも多いので、少し離れたところに行かなければなりません。特にお年寄りなどは足(クルマ)がなく移動が不便なので、「カラオケボックスツアー」なども企画していければと考えています。

来月で東日本大震災から丸2年です。少しづつ復興に向けて歩みつつあるのは間違いありませんが、地域間、世帯間で差が開きつつあるのも確かです。
家を新築した人もいれば、みなし仮設で寒さに耐える日を送る人もいます。どちらも現実です。後者の中には2年経って風化を心配する人もいます。
「忘れていない」の気持ちを被災地に届けることの意味はまだ小さくないと思っています。そのためにも今後も活動を継続してまいります。見守っていただければ幸いです。

報告:杉崎順一

コミュニティー支援に使われるバス

日中でも冷蔵庫並みに寒いので、車内でも暖房が必須

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