2013年1月15日火曜日

暖房器具支援の再開と、みなし仮設住宅の現状について

『みなし仮設住宅』という言葉をご存知でしょうか?


『借り上げ仮設住宅』とも言われ、
震災などで住居を失った被災者が
民間事業者の賃貸住宅を仮の住まいとして入居し、
その賃貸住宅をプレハブなどで建てられた
『応急仮設住宅』と同様にみなし、
賃料を国や地方自治体が負担するものです。

『みなし仮設住宅』は被災地だけでなく広範囲に転々と散らばり

①地域のコミュニティから外れ不安や孤独に陥るケースがある。
②外からは普通の暮らしをしているように見え実態が把握できない。
③存在がきちんと把握されておらず物資的な支援や情報が入らない。

などの問題があります。

厚生労働省では「仮設住宅への入居」を救助の完了と位置づけています。
そのため一度入った仮設住宅から他の場所へ移り住む場合には、
原則として行政支援、補助金の対象外となってしまいます。

震災直後、避難所からの退去や環境改善のため
当座の住宅を確保するためにやむを得ず住んだ仮設住宅も
避難の長期化により様々な不都合が発生しています。

転勤や出産などの事情により転居を希望している世帯でも
住宅補助金の打ち切りがあるため留まらざるを得ないのが現状です。

特に体の不自由なご高齢者に関して
地域社会との繋りを失い、話す相手もおらず暮らしている方や
買い物に不便な場所、エレベーターのないマンションの4階などに
住んでいるというケースもあります。


東北ほっとプロジェクトでは震災後、”最初の冬”への対応として津波により暖房器具を失い準備ができない方々へ、皆様からの多くの支援を賜り、石油ストーブ約600台を被災地へお届けして参りました。この支援は昨年4月をもちまして終了をお伝えしました。

しかしながら、この年末も被災地に足を運び
そこで上記の『借り上げ仮設住宅』の現状を聞くに付け、
また実際にそういった場所に住む1人暮らしのご高齢者からの
暖房器具の要望が多くあることを聞き、

支援の再開を決定しました。


東日本大震災からもうすぐ2年が経とうとしている今でさえ
安定した仕事の確保が十分に出来ていない現状もあります。
世帯収入数万円で暮らす家庭もあります。
年金のみが収入源というところもあります。


私たちが被災地へ届ける暖房器具の資金は
皆様からお預かりしている大切なお金です。
現在ご入金いただいている67,117円を
これに充てさせていただきたくご報告いたします。

毛布が必要な所、コタツが必要な所、状況は異なるため
支援を必要とするそれぞれのお宅に個別に対応する事になります。


行政のように不公平感から支援ができないという事態にならないように
被災地に拠点を置くボランティア団体からの情報に基づき
可能な限りの支援を行っていくつもりです。

どれほどの方々を支援できるかわかりませんが
なるべく多くの方をお助けしたいと思っております。

ご賛同いただける方には再度のご支援・ご協力をいただけますよう、
東北ほっとプロジェクト一同、ここにお願い申し上げます。


2013/1/12
東北ほっとプロジェクト:笠原宗一郎




■経済新聞電子版
『みなし仮設費、現金支給について』

■難民を助ける会
『支援の届きにくい「みなし仮設とは」』
※記事は古いですが実態がよくわかります。


0 件のコメント:

コメントを投稿