2013年1月26日土曜日

暖房器具配布について

先週末、石巻を拠点に在宅避難者の支援を行っている
一般社団法人チーム王冠さんと暖房器具の配布について話し合い
現在頂いているご支援金で購入できる分から
どこのお宅に何が必要かを打ち合わせをしてきました。

1月中に配達を行えるよう準備を進めています。

しかしながら、被災地の人手不足は否めず、
チーム王冠さんも漁業や養鶏所の支援や家屋の修理手伝いなど
まだまだ尽きない現地のニーズへの対応で配達に手が回らない状況です。

東北ほっとプロジェクトからは1/30に2名、2月の3連休で1名が現地に行く予定です。
本当でしたら明日にでもお届けしたい暖房器具ですが、
可能な限り早く、という状況です。

お時間に余裕のある方いらっしゃいましたら当プロジェクト、
またはチーム王冠さんへお手伝いいただけますと非常に助かります。
http://team-ohkan.net/

震災から2年が経とうとしている今
あらためてマンパワーが求められている現状をご理解いただき、
可能な方にはご協力いただければ幸いです。

私たちも全力を尽くして参ります。
何卒ご協力お願いいたします。

東北ほっとプロジェクト:笠原宗一郎

2013年1月17日木曜日

ラジオ番組「OTTAVA animato」に出演!

「OTTAVA animato」は、2011年秋から12年春にかけて行った石油ストーブの支援の際に、毎日のようにプロジェクトのご紹介や支援の呼びかけをしていただいたインターネットラジオ番組です(ネットに接続したPCがあればどこでも無料で楽しめます)。

1月16日(水)の生放送に、プレゼンターでcoco←musikaのメンバーでもあるゲレン大嶋さんと番組スタッフの皆さんのご配慮で、プロジェクトのメンバーが出演する機会を得ました。

OTTAVA animato blog
ゲレン大嶋さん公式ブログ

OTTAVAはクラシックがメインの音楽専門チャンネルですので、私たちの活動を毎日紹介いただいただけでも、とても得難いことですが、16日の出演当日は私たちためにとても長い時間を割いていただきました。
放送では、これまでに多額のご寄付を託していただいたリスナーのみなさんにお礼を伝えられたことがまず良かったと思います。そして被災地の現状(一部分に過ぎませんが)、新たにスタートしたみなし仮設住宅向けの暖房器具支援についてなどをお話しすることができました。

何の後ろ盾も持たず限られた時間と手段しか使えない私たちが、ここまで活動を続けてこられたこと、そして石油ストーブ支援では予想以上の大きな結果を残せたことは、OTTAVA animatoの応援のおかげです。
ゲレン大嶋さんやスタッフの皆さん、そして全国のOTTAVAリスナーの皆さんに改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

番組内や当ブログでも告知したとおり、私たちは新しい目標に向けて再始動しました。しかし趣旨に賛同いただく皆さんのお力添えが無ければ何も成し遂げられないのは相変わらずです。
3.11からおおよそ2年が経つ今も経済的困窮で苦しみ、そして大きな声があげられず埋没してしまいそうな被災者に、必要な暖房器具とともに「忘れていない」の気持ちを届けます。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
※「みなし仮設住宅」世帯への暖房器具支援について

ご寄付の送金先(ゆうちょ銀行)は当ブログのトップページにあります。


ゲレン大嶋さん(右下)とスタジオにて
 
 
 
報告:杉崎順一
 

2013年1月15日火曜日

暖房器具支援の再開と、みなし仮設住宅の現状について

『みなし仮設住宅』という言葉をご存知でしょうか?


『借り上げ仮設住宅』とも言われ、
震災などで住居を失った被災者が
民間事業者の賃貸住宅を仮の住まいとして入居し、
その賃貸住宅をプレハブなどで建てられた
『応急仮設住宅』と同様にみなし、
賃料を国や地方自治体が負担するものです。

『みなし仮設住宅』は被災地だけでなく広範囲に転々と散らばり

①地域のコミュニティから外れ不安や孤独に陥るケースがある。
②外からは普通の暮らしをしているように見え実態が把握できない。
③存在がきちんと把握されておらず物資的な支援や情報が入らない。

などの問題があります。

厚生労働省では「仮設住宅への入居」を救助の完了と位置づけています。
そのため一度入った仮設住宅から他の場所へ移り住む場合には、
原則として行政支援、補助金の対象外となってしまいます。

震災直後、避難所からの退去や環境改善のため
当座の住宅を確保するためにやむを得ず住んだ仮設住宅も
避難の長期化により様々な不都合が発生しています。

転勤や出産などの事情により転居を希望している世帯でも
住宅補助金の打ち切りがあるため留まらざるを得ないのが現状です。

特に体の不自由なご高齢者に関して
地域社会との繋りを失い、話す相手もおらず暮らしている方や
買い物に不便な場所、エレベーターのないマンションの4階などに
住んでいるというケースもあります。


東北ほっとプロジェクトでは震災後、”最初の冬”への対応として津波により暖房器具を失い準備ができない方々へ、皆様からの多くの支援を賜り、石油ストーブ約600台を被災地へお届けして参りました。この支援は昨年4月をもちまして終了をお伝えしました。

しかしながら、この年末も被災地に足を運び
そこで上記の『借り上げ仮設住宅』の現状を聞くに付け、
また実際にそういった場所に住む1人暮らしのご高齢者からの
暖房器具の要望が多くあることを聞き、

支援の再開を決定しました。


東日本大震災からもうすぐ2年が経とうとしている今でさえ
安定した仕事の確保が十分に出来ていない現状もあります。
世帯収入数万円で暮らす家庭もあります。
年金のみが収入源というところもあります。


私たちが被災地へ届ける暖房器具の資金は
皆様からお預かりしている大切なお金です。
現在ご入金いただいている67,117円を
これに充てさせていただきたくご報告いたします。

毛布が必要な所、コタツが必要な所、状況は異なるため
支援を必要とするそれぞれのお宅に個別に対応する事になります。


行政のように不公平感から支援ができないという事態にならないように
被災地に拠点を置くボランティア団体からの情報に基づき
可能な限りの支援を行っていくつもりです。

どれほどの方々を支援できるかわかりませんが
なるべく多くの方をお助けしたいと思っております。

ご賛同いただける方には再度のご支援・ご協力をいただけますよう、
東北ほっとプロジェクト一同、ここにお願い申し上げます。


2013/1/12
東北ほっとプロジェクト:笠原宗一郎




■経済新聞電子版
『みなし仮設費、現金支給について』

■難民を助ける会
『支援の届きにくい「みなし仮設とは」』
※記事は古いですが実態がよくわかります。


2013年1月13日日曜日

2012年(平成24年)決算報告

2012年 決算報告(2012年12月31日締)

◆収入の部
繰越
448,085
2011年より
ご寄付
2,438,214
延べ95人
貯金利息
44
 
収入計 
2,886,343
 


◆支出の部
支払1 2,669,486 ストーブ、電池購入
支払2 159,740 夏祭り、芋煮会経費
繰越 57,117 2013年へ
支出計  2,886,343  

以上、ご報告いたします。

会計 杉崎順一

2013年1月6日日曜日

女川集会所修復および、漁業支援活動

2012/12/28~30の三日間、
一般社団法人チーム王冠さんの活動に参加しました。

時間の経過と共に変化していく被災地の問題。
現在の問題は瓦礫の撤去や側溝の泥だしとは違い、
非常に傍から見えにくいものであったりします。


■集会所修復作業


震災と津波により多くの家屋が全壊、半壊、流失しました。

家を失い、仮設に入る人、
親戚宅に身を寄せる人、
新しい土地へ移り住む人。

コミュニティがバラバラになってしまった地域がたくさんあります。

20m程の津波が来た女川では、ほとんどの家屋がその被害に遭いました。

そんな中、少しでも地域の方々が集まれる憩いの場所をと
昨年夏から一人の建築士さんが半壊した集会所の修復作業に着手しました。壊れた壁を剥がし、柱に新しい木材を当て、コツコツと作業を重ねました。

数ヶ月の間に多くのボランティアさんも手伝い
この年末、とうとう新しい(寄付していただいた中古品)
畳を敷くという段階に達しました。その作業をお手伝いしてきました。

修復のために柱の位置や床の寸法が若干変わり、
ピタリとはまらない畳を合う形に調整し敷き詰めます。

カットした畳
カットした部分はほつれないように養生して敷いていきます



みんなが一歩ずつ作業を進めて完成した集会所。
「ここに人が集まって笑顔でお茶でも飲めるような場所になればいいな」
建築士さんはおっしゃっていました。



畳だけでなく新しい壁が居心地よい

「震災直後は命が助かっただけでもありがたいと思った。
でも今は、手を掛けてきた畑や何もかもを失ってただ生きているだけ」

ご年配の方とお話をするとよくこんな事を言われます。

「話に来てくれる人がいるだけでも嬉しい、ありがとう」

ともよく言われます。

「生きていく」というのがどういう事なのか考えさせられます。
また人との繋がりがどれほど「生きていく」ために必要かも実感します。


自分に何ができるのか?
今も東北被災地ではそれを考えながら相手を思いやり、
復興に向けて尽力されている方々がたくさんいます。

そういう心の支えを必要としている方もまだまだたくさんいます。
物資ではなく人と人とが助け合って生きる環境をどう再建できるか。

町を築き上げるような事はできないかも知れませんが
切れた電球を交換してあげるような小さなお手伝いもあります。

自分が80歳を過ぎて歩くのも難儀になっていたら・・・
住み慣れない町のエレベータの無いマンションで暮らす事になったら・・・
運転もできず近くにスーパーも無いような所に住むことになったら・・・
周囲に知人も友人もいなくなってしまったら・・・

もっとイマジネーションを働かせて考えないといけないなと感じました。

■漁業支援

こちらはシビアなお金の話になります。

以前、ホタテの養殖の準備をお手伝いしたことがあります。
今回はワカメの養殖をされている所でしたが、漁業再開への道のりを聞くと
どちらもほぼ同じような問題に直面していました。

三陸海岸の漁師さんは家も船も道具も
全て津波に流されてしまった所が多く、
震災当初は「再開」という気力も失っていました。
それでも”海と共に生きる”という思いは強く
少しずつ再出発を目指す方が増えてきました。

「漁業再開」と明るいニュースのように報じられていますが
その現状は非常に厳しいものです。

一昨年(2011年)は船も道具なく
それを0から揃えるところからスタートしました。
浜に打ち上げられた古い道具は使えるようなら直して再利用します。

壊れた船は直すか、買い換えるかですが、
行政の支援は買い替えの時にしか補助金が出ないそうです。
買い替えには多くの手続き必要で、納期の目処も立たない状況です。

あとから補助金を申請するとしても
いずれの場合も費用をどこかから捻出せねばなりません。

道具の購入も3社から見積もりをとった上で最安値のもので
補助金を申請しなければならないという手間。
それを通常の仕事の合間でこなさなければなりません。
業者も事情を知ってか「どうせ見積もりだけ」と
対応してくれない所もあるそうです。

さらに道具を製造しているところも被災し、
全国各地の業者に電話を掛けなければならないという大変さ。
「1日2時間しか寝る時間がなかった・・・」
とホタテの漁師さんは言っていました。

ワカメの養殖の収穫は3月。
それを逃すとまた一年間、収入の見通しが立たなくなってしまうため
行政の支援を待てず、借金をして収穫に間に合うように船を直しました。
100tのワカメを冷凍するコンテナ型冷凍庫やそれを置く倉庫も
流失、全壊しているため総費用は3,000万円近くに膨らみます。

新しく立て直して倉庫


コンテナ型冷蔵庫。冷凍庫は山の高台に設置。

従業員の方々も震災前は6~7人でやっていましたが今は3人。
休みも無くフル回転で働き、昨年中の収穫→出荷へと実を結びました。



僕たちがお手伝いしたのはワカメを計って同じ重さの束にしたり、
パッケージング、箱詰めなど単純な作業ですが、
とにかく猫の手も借りたい状況で年末までに終える予定だった作業も
12/30では終わりませんでした。
ワカメを計ってパッケージに詰める作業

「それでもここまで来れたのは嬉しい。
味には自信があるし、再開を待っててくれてる人もいるから」

とワカメの漁師さんは言っていました。


ここがようやくのスタートライン。
まだまだ時間とマンパワーが必要です。
塩漬けにされたワカメ