2012年8月25日土曜日

田代島にて

 
チーム王冠からの要請で、8/21(火)、22(水)の2日間、杉崎2名で行って来ました。
通常は写真撮影禁止ですが、今回は許可をもらって撮影しました。

田代島は宮城県石巻市に属する島で、石巻の旧北上川河口から船で小一時間、島からは牡鹿半島が見えます。
ひょっこりひょうたん島のモデルとなった島、また島内には多くのネコがいる島としても有名です。



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石巻の旧北上川河口にて。「マーメイド号」で田代島へ向かいます!

 

 
お茶っこの最中に聞いた話では、「住民登録している島民は60名くらいだが、全員集会をやって集まるのは30名くらい」とのことでした。学校はとうの昔に廃校になっているので、子供やその親世代は住んでいないようです。

「田代島開発総合センター」の中の広い体育館のような場所が会場でした。
この2日間のプログラムは盛りだくさんでした。

① 柔道整復師の先生方によるストレッチ講習とマッサージ
② 美容師さんによるヘアカット
③ お化粧
④ 写真撮影とプリントアウト
⑤ お茶っこ(お茶会)

このうち③~⑤を私たち2名で受け持ちました。

メイク用品・道具を送ってくださった皆さま、ありがとうございました!
本当にたくさんの品が集まり、見ているだけで楽しいエリアになりました!




 
 

まずは、仙台からいらした柔道整復師の先生方が数名で、ストレッチの講習と、実際にマッサージが行われました。

(2日目にお茶っこに来た男性が、「10年以上肘より上に上がらなかった腕が、肩の上まで上がるようになった!」と驚きの報告をしてくれました)








 
その後、ヘアカット。
スピーカーでの放送を聞きつけて人が集まり、常に2~3人待ちの状態です。
海に向かって座り海を見ながら、という贅沢な環境!!

 

 

美容師さんは1人しかいないので大忙しです。美容院にあるような上下できる椅子もなく、無理な姿勢で、次々とこなして行きます。
最後はきちんとカーラー巻いてブローして、きれいにセット。この頃から皆さん表情がグッと明るくなります。
そして男性の散髪も難なくこなし、プロの技に見惚れました。


地元の皆さんに聞くと、「美容院や散髪をするには石巻市内まで船で行かなくてはならず、1日がかりになってしまう。交通費だけでも往復で2,400円だから助かるよ。」とのこと。
また、杖や手押し車を使っている足の悪い方も多いので、遠方に行かなくても済むのは本当に助かることだと思います。

1日半でヘアカットした人たちは25名前後だったと思います。
岩手県の宮古から来ている漁師さんたちや、仕事で島に来ていた人たちも散髪したので、この人数になりました。
また、皆さん「ここで散髪してもらえるなんて!」と大喜びでした。
 

順番待ちの間にお茶っこしながらみんなでおしゃべり。
 
 


「お化粧なんてしたことないものぉ~」と恥ずかしがる、往年のお嬢さん方。
最初は皆さんかたくなに拒んでいましたが、「口紅だけでも」と勧めるところから始めてナチュラルメイク。
目をじっと閉じて、お任せでお化粧して、口紅だけはご自身で選んでもらいました。

最後に鏡で見てもらうと、「まぁぁぁぁ~、ワタシがワタシでないみたいだぁぁあ~」と嬉しそうな表情。
印象的だったのは、奥さんがきれいになったのを見て、ご主人もニコニコと嬉しそうだったことです。


そのウキウキの気分を携えて、次は写真撮影です。さっぱりして気分良くなったところで写真を撮るので、自然と表情も和やかに。
 
撮影後は持参したプリンターですぐに印刷し、フォトフレームにセットしてお渡しします。ヘアカット中のスナップを添えて2枚組にすることにしました。




基本的にはおひとりの写真ですが、多賀城市から夏休みで遊びに来ていたお孫さんがいらした方は、お孫さん+おじいちゃん、お孫さん+おばあちゃんの2ショットで撮影。2枚づつプリントしてお孫さんにもお渡しできました。


何人かの方が異口同音に、「これはアレの時にいいね。撮りたいと思ってたんだ~」と。
最初は分からなかったのですが、どうも遺影のことを指しているようです(^^;)。

「家の中に写真飾るとこなんて無いよ~」と言いつつ、とっても嬉しそうに持ち帰られました。
女性の皆さんには、メイク落としや基礎化粧品のセットもプレゼント。これもまた喜ばれました!

あるおばあちゃんは、一度家に帰ってツブ貝の天ぷらをたくさん作ってきてくれました。揚げたてアツアツで、貝の甘みと歯ごたえが最高のおいしい天ぷらでした!

後日、翌日も島に残ったボランティアの女性から、「翌日数件のお宅にお邪魔しましたが、皆さん早速写真飾っていました!」との報告をもらいました。喜んで頂けて何よりです。

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宿泊は島の民宿で。

でもこの島の民宿は、漁師さんをしながらなので翌朝4時には海に出るとのことで、お風呂は21時までに済ませてくださいと言われました。
つまり、はっきりとは言われませんでしたが、「その後はお静かに願います」ということなのでしょう。

通常の民宿では考えられないことかもしれませんが、逆にホームステイさせてもらっている雰囲気で楽しかったです。今までの1年半のボランティア活動の中ではあり得なかった、22時就寝でした!!

別な民宿経営の方が言っていましたが、「漁をしたものを民宿で出すから何とかやって行ける。食べ物を全部仕入れたらとてもやっていけない」と。あくまでも漁を生業としているところに、観光客が泊めてもらうということだと思います。



宮古の漁師の通称「船長さん」は、石巻からキャンプしに来るという小学生のために、朝の漁で獲れた魚を、持って来てくれました!

タイ、アジ、サバ、カツオ、タチウオなどなど、10種類くらいのイキのいい魚!

 


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そして、私たちは14:40頃の船で帰途に着きました。
前日に会場に来てくれたご夫婦が、同じ船で石巻に行くということで、港で再会しました。
すると、「これから石巻の親戚の家を数件訪ねる。あなたたちのおかげで、昨日は気持ちがホカホカした。このホカホカの気持ちのまま石巻に行けるよ!」と、1日経ってもまだウキウキと喜んでくださっていました。


帰りの船では、カモメたちが至近距離で見送ってくれました。
(実は、船内の小学生がかっぱえびせんでカモメをおびき寄せているからなのですが(笑))






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田代島は、震災の影響で120cmも地盤沈下したとのことで、確かにガードレールが不自然な形で海に水没しかかっているのを見てもうなづけます。

「以前はみんなでカラオケのようなこともしていたけれど、島民が高齢化しており、飲食する物を準備する女性が大変だということで、男性陣が気を遣って、震災前から止めてしまっている」とのこと。
高齢化しているからこそ、孤立しないようにお茶っこやカラオケがあった方がいいのでしょうけれど。

のどかな島で皆さんに喜んでもらって、私たちもとても楽しかったです。またぜひ行って、今度はお茶っこと歌っこ(カラオケ)をやりたいと思いました。


のどかな島でゆっくり過ごしたい方、ネコが好きな方には、田代島はとてもお勧めです。
(朝晩の涼しい時には、猫たちがそこここにいます。)

田代島への船、網地島ラインの情報
http://www12.ocn.ne.jp/~ajishima/





最後に、田代島の写真をいくつかご紹介します。


宿での夕食。ウニはまだ生きていました。海の幸づくし!
 



ビニール袋をガサガサと音をさせるとエサをもらえると思って近寄って来ます。








 
 
早朝の港にて・その1

早朝の港にて・その2 とれたての魚をもらってパクパク


 




台車を手押し車代わりに使っているおばあさんは、いつでも猫じゃらし持参。
 



朝晩の涼しい時間帯には、道に猫が出てきます
 
 
 
 
 
記 : 杉崎庸子
 
 


 

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