2012年3月28日水曜日

第11回ストーブ配達

3/24~25
第11回ストーブ配達に行って参りました。

今回は渡波、女川、小渕浜にて
55台の石油ストーブのお届けとなりました。



2日とも陽が出ているうちはポカポカとあたたかく
このまま冬が終わってくれればいいのにと思いましたが
天気の変化が激しく、突然雪が降ったり、気温が下がったり。
今年は東北の人でも参るほどの寒さだと言っていました。

昼に立ち寄った食事処では地元の人たちが震災の話をしているのを耳にしたり、その悲しみの深さは容易に拭い去れるようなものではないことを改めて感じました。

心の傷を癒すために何ができるのか?
そんなことも考えさせられました。




さて、今回は件数も多く、一人での配達だったので
かなり気合を入れ、段取りを入念にして、連絡を何度も入れ配達に臨みました。

ストーブを配って回った地域はナビに住所を入れても
番地があってないようなものなので近くまで行っては電話をし
目印になりそうな場所まで迎えに来てもらいお届けしました。
上のおばあちゃん、「目印に頬かむりしてぐから~」って
向こうの方から歩いてくるのが見えて、もう目印なくてもわかるのに
一生懸命結ぼうとしてるんだけど全然結べなくて

結局近くにきて頭にのっけてるだけになってしまいました。
そのお気遣いと笑顔に癒されました。

ご自宅は震災から一年が過ぎた今でも
まだようやく床を張り替える準備が整ったところで
後ろに見える木材でちょうど大工さんが作業をしていました。


車を停めて住所を確認していたら
「連絡くれたボランティアさんでしょ?」と声を掛けられました。
夏前から何度も来ている地域なので少し顔を覚えていてくれたようです。



小渕浜へ向かうイロハ坂のような山道を進む頃には
陽は沈み真っ暗になっていました。

電話で案内された浜へ降りていく坂道は、全く人気がない闇で

「もうちょっと先かな?」

と進んでも他に道はなく、折り返していくと
迎えに来てくれた人が手を振っていました。
夜の寒さの中地域の人みんなが集まってくれたので
一台一台手渡すことができました。


行く前はこれがラストチャンスかな?
と思っておりましたが『もうひとふん張り!』
そんな思いで帰路に着きました。


 9月に活動を開始してから7ヶ月、皆様からのご支援により
500台を超えるストーブを被災地に届ける事ができました。
ありがとう、の言葉は何度言っても足りませんが感謝しております。
ストーブをお渡しした時に僕が聞いている「ありがとう」の言葉も
東北の人たちの姿も、想いも、この活動と記事を通して
お伝えすることができればと思います。

分相応のことしかできませんが
今後ともよろしくお願いいたします。

東北ほっとプロジェクト 笠原宗一郎

2012年3月23日金曜日

応援プロジェクト「とびだす100通りのありがとう!」

「ありがとうを言いにいこうプロジェクト」ホームページより。撮影:杉崎順一

当プロジェクトが応援していた、被災者によるミュージカル「とびだす100通りのありがとう!」が、先日3/18(日)に大好評で公演を終えました。

公式ホームページ
http://minna-arigato.com/

私たちメンバーは、笠原宗一郎がプロモーションビデオの作成、杉崎順一が記録撮影(稽古と本番)、杉崎庸子が本番の楽屋で裏方仕事を、とそれぞれに応援して来ました。

冒頭から、「自分たちはやり場のない悔しさと悲しさでいっぱいなんだ。でもくじけそうになるけど生きてるんだ。そして支援物資を送ってくれた方々に感謝を伝えられないもどかしい気持ちがあるんだ。この感謝の気持ちを受け取ってください!」という感情がストレートに伝わって来ました。

参加者のほとんどは自宅が大規模半壊から津波による流失、肉親を亡くした話なども紹介されます。
しかしつらい体験談だけでなく、3歳から83歳の出演者の特色を生かして、爆笑のエピソードやダイナミックなダンス、そして子どもたちのかわいい歌などもあり、お客様は90分間をフルに楽しまれたと思います。歌のたびに手拍子、拍手、最後はアンコール…。


前日の稽古と本番の2日間、分刻みのスケジュールで、食事はすべてお弁当、しかも声が出なくなるので少ししか食べてはいけないという過酷な中で、小さい子も年配の方もみんな本当に健気に頑張りました。

被災した人はなかなか自分の感情を出す機会がないかと想像します。稽古をし、本番で舞台に立つことで、自分の気持ちを整理することができた人もいたのではないでしょうか。
また観客も、被災した人の生の感情に触れることができました。

私自身、ボランティアで被災地を訪れても、被災した人の感情までは分からない部分がありますが、この舞台を観て、ダイレクトに「やり場のない悔しさ、悲しさ、そして感謝」を感じることができました。
被災地と被災した人たちの気持ちに寄り添うには、こういう舞台は素晴らしい役割を果たすを思いました。再演の予定がないのがとても残念です。

当日配布されたパンフレットから。
「3.11を忘れないために」by寺本建雄(構成)


◆オリジナルグッズも販売中

2012年3月20日火曜日

【活動予告】新たにストーブ55台購入しました

3月20日付で、あらたに支援用ストーブ55台を注文いたしました。

3月24日~25日、メンバーが宮城県内で11回目となるストーブ配布を行う予定です。

今までに購入できたストーブは581台を数えました。昨年9月のプロジェクト発足当時、メンバーの誰しもがこんなに多くのストーブを購入できることになるとは予想しておりませんでした。
しかし各方面の暖かいご支援、ご協力のおかげで、大きな支援活動に発展させることができたことをとても嬉しく、そしてありがたく思います。本当にありがとうございました。

ストーブデリバリーの報告は改めてこのブログでさせていただく予定です。

文責: 杉崎順一

2012年3月11日日曜日

東日本大震災から一年

3.11

いろいろと考えた結果、
今日は1人暮らしの祖母を訪ね
特筆すべきことは何もないような平穏な一日を
そういう一日が如何に幸せかという事を感じながら
過ごせればと思っています。


今日という日をどう捉えるか?
それぞれの人が様々な考えをもっていることと思います。


気がつくとあっと言う間ではありましたが、
僕にとってこの一年は
ものすごく長い一年だったように思います。
振り返るとあれもこれも全てこの一年の出来事か!と圧倒されます。

それは膨大な未知の経験と
活動範囲の広さ、移動距離の長さ
出会った人の多さ、その繫がりの深さ

そういうものが感じさせるのかも知れません。


「この一年に起こった事は全部夢でした」
と言われたらすんなりそれを受け入れてしまえるような
リアリティの無さも拭い去れません。

昨日一日テレビで流れる映像を見ながら
起こった災害について未だに信じられない気持ちです。

とはいえ、やはり被災地の現実というのはそこにあり
自分自身で、見、聞き、触れてきたものを大切な情報とし
復興へ向けての一助となるような活動が引き続きできればと思っています。

道筋が見えない中でも止まっているわけには行かず、
自分たちの暮らしを立て直すために奮闘されている方々のために
もうしばらく積極的に何か自分たちに出来ることを考えていこうと思っています。

東北地方では梅雨明けまでは寒い日も続くため
現在行っている石油ストーブ支援もしばらく継続いたします。

3/24、25で11度目のストーブ配達を調整中です。

心温かく、ご支援いただいた皆様には重ね重ね感謝いたします。
活動する中で私たちがお伝えできる情報はこれからも掲載していきますので
今後ともよろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが
あらためまして東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災された方々、そのご家族に対しまして心よりお見舞い申し上げます。

東北ほっとプロジェクト 笠原宗一郎

2012年3月2日金曜日

ストーブに関するご報告とその他の活動

2/29(水)、杉崎順一・庸子の2名で石巻に行きました。
その前の26(日)にストーブ40台が、協力団体のチーム王冠の石巻倉庫に到着していましたが、できるだけ早く届けるために、一部の25台程度をチーム王冠のスタッフに配布していただきました。

ストーブは登録グループ世帯ごとに配布していますが、残る15台では1グループの世帯数に満たないため、配布は取りやめました。今、配布待ちの支援グループは、1つが30~50世帯になります。ストーブが集まり次第、また迅速にお届け致します!

この日も、相変わらず寒かったです。毎回のことながら、現地に行くと震災の被害のひどさと東北のしびれるような寒さに圧倒されます。
今年は例年より寒く、また一部屋に1台が当たり前の生活だったのに、津波でほとんどのストーブが流されるか壊れるかしてしまった東北の皆さんには本当に過酷な冬が続いていると、昨日も実感しました。

振り返れば、皆様から約400万円のご寄付をいただきストーブを526台も購入でき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
しかし、この厳寒の中で、大工さん不足により修理のできない自宅で生活をしている様子に、ストーブのお届けをまだまだ続けて行きたいと、メンバー一同決意を新たにしております。
お願いばかりで恐縮ですが、ご無理のない範囲で引き続きのご協力いただければと思います。よろしくお願い致します。

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さて、では私たちが何をしてきたかといいますと・・・。
2人でそれぞれ別な車両の運転手をしました。
杉崎順一は、中でマッサージを受けることができるバスの運転手。2か所に行きました。
バスの前半分は、テーブルとイスが5人分あります。そこでは集まった皆さんでお茶やお菓子をいただきながらおしゃべり。順番が来ると後ろ半分のベッドに移動してマッサージを受けます。
出てきた皆さんのほっぺはほんのりピンク。血行が良くなって、自然に笑顔がこぼれます。





 

杉崎庸子は、地元の演歌歌手のさかえ里美さんのミニコンサートのお手伝いをしました。運転手と会場準備です。こちらも3か所を回りました。

さかえ里美さんは、地元のラジオ局で17年間もラジオパーソナリティーをつとめたそうですが、大震災の事情にからんで番組を休止している状況だそうです。でもさすが17年も続いた番組、行く先々で「聴いてました~」と喜ばれていました。中には「ディナーショーに夫婦で行ったんだよ!」という方も。

さすがにプロ!心に染み入る歌声でした。
聴きにいらしてた方も、歌によって笑ったり涙ぐんだり・・・。
終了後には駆け寄って、一生懸命話しかける人もいました。






最近はストーブにかかわることばかりをやって来て、他の活動とは縁遠いところがありましたので、今回のようにミニコンサートやマッサージで和んだりする皆さんとご一緒できて良い経験になりました。

マッサージボランティアは小柄な女性で、石川県金沢市から夜行バスでやって来て、5日間、マッサージし続けるそうです。私たち東北ほっとプロジェクトだけでなく、いろんな方が被災地の皆さんに「ホッと・HOT」を届けようとしてるんだなぁと元気になる経験でした。

そしてまだまだストーブお届け頑張るぞ!と思ったのでした。


投稿:杉崎庸子