2012年1月14日土曜日

第6回ストーブ配布のご報告

遅ればせながらご報告します。
震災からちょうど10か月の1/11(水)、第6回のストーブお届けに行ってまいりました。
ご協力、ご支援くださった皆さまにお礼申し上げます。

今回は諸般の事情で、19台のみでした。地域は石巻市の渡波地区と東松島市内です。
配布台数が少なかった原因はいろいろあるのですが、一番は、配布するストーブの不足と配布する人員の不足にあります。当プロジェクトの収支報告には残高が残っているようになっていますが、実はメンバーが安価なストーブを探して都度立て替え購入しているので、実際の残高はほとんどない状況です。

また今回の配布先のお宅は、後からグループに加わった方たちで、お住まいが固まっていなかったこともあり、移動に時間がかかりました。車や人員がもっとあれば、と思わずにはいられません。

さて、この日は夜半から雪が降り出し、普段は降っても積もらない石巻沿岸部にも雪が積もりました。地元の方も「積もるなんて」とビックリ! 当然とても寒かったです。お訪ねしたお宅はみな、玄関を開けても中は暖かくはなく、実際、横浜で暖房を節約しているつもりの私の家の玄関よりも寒いくらいでした。
申し訳ないことに事前連絡なしでストーブをお届けしたのですが、それだけにサプライズ的な要素が大きかったのか、皆さん本当に驚きながら喜んでくださいました。

お留守で直接お渡しできないお宅には、グループリーダーさんから渡していただきます。さまざまな連絡係にもなっていただき、地元の方とボランティアを繋ぐ重要なお役目です。

この方は保育園を経営されていましたが、津波で施設が使えなくなりました。また震災当日、迎えに来たお母さんと一緒に帰宅した園児が津波の被害に遭い、帰らぬ人となってしまったとのこと。その子の家は保育園よりもさらに海側にあり、そちらへ帰って行ったのでした。










このお母さんの息子さんに、「ちっちゃいストーブで申し訳ないです。あんまりお役に立たないかもしれませんけど、できるだけ多くの方にお届けしたいので・・・」と言うと、
「ストーブは何よりありがたいんです。震災の日、停電して寒くて真っ暗な中で、石油ストーブの暖かさとあかりに助けられました。ストーブは命を繋ぐものなんです。絶対に必要なものなんです。
ストーブもらって、忘れられていないんだってこともすごく嬉しい。まだ大変な人がたくさんいます。東北人は『いいよ、いいよ(大丈夫)』って言うんですよ。私なんかマシな方ですけど、実は大丈夫じゃない人はいっぱいいあるんです。
ぜひ、見るだけでもいいので、被災地を見に来て欲しい。臭いや雰囲気、見渡す限りの津波の被害・・・。テレビで見るのとは違うんですよ。年寄りの話を聞いてくれるだけでもすごく助かるんです。」
とおっしゃっていました。





まだこのようにアスファルトが直っていない道路もたくさんあります。



石巻渡波地区の海のすぐそば。以前は建物がびっしりと建っていた場所。家の灯りに見えるのは、わずかな夕日が透けて見えるだけで、人の暮らしの灯りはごくごく少ない。


明るいのは車のヘッドライトと信号機のみ。



車のヘッドライトと手元の簡易照明で、きょうの作業の振り返りと今後の打ち合わせ。
「ストーブの台数がある程度まとまらないと、グループ単位(だいたい20~30世帯)で配れない。とにかく今後もがんばろう」と確認し合いました。

正直、私たちも、いくつかの団体が暖房器具の支援をしているし、12月いっぱいで何とか目途がたつのではと漠然と考えていましたが、やはり被災地域があまりにも広いために、全然追いついていない状況です。

まだまだストーブ配布を続けます。直接お届けして地元の方とお話する中で、今後の支援のあり方も模索しています。

可能な範囲で結構ですので、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。


投稿:杉崎庸子

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