2011年10月15日土曜日

【活動報告】第1回ストーブデリバリー

日程:10月11日(火)~12日(水)
文責:杉崎順一

多くの支援者からお預かりしたご寄付で実際に石油ストーブを購入して、被災された方々に配布しました。
10月9日現在で集まった寄付金は合計344,463円。ストーブ購入を打診していた宮城県多賀城市内の業者(わくわく本舗)から42台を買い付けるため、代金284,798円を支払いました。買い付け先に多賀城の業者を選んだのは、価格的に安価であることと、被災地に近い宮城県内の業者を利用することで、経済的復興の一助になればと考えたためです。

11日午前、実際にストーブを引き取るために仙台市内の物流倉庫へ出向き、トラックに積み込みました。わくわく本舗さんからはストーブに必要な乾電池を台数分融通していただきました。



ちなみにわくわく本舗さんの本社(多賀城市内)も3月11日の津波被害を受けたそうです。社員の方の人的被害はなかったようですが、大変な思いをされたことに変わりありません。


輸送や配布の効率を考えて、倉庫で受け取ったストーブはそのまま被災地へ運びデリバリーする計画を立てました。出発前に横浜で受け取った現物支援の新品ストーブ2台とあわせ、計44台のストーブを乗せ石巻市へ向かいました。
ストーブの配布については、現地で支援活動を続けている「チーム王冠」に協力を仰ぎました。チーム王冠は主に自宅避難者(避難所や仮設住宅ではなく、津波被害を受けた自宅で生活する被災者)を支援対象にしていて、前もって希望するストーブの種類などをアンケート調査してもらいました。そのアンケート結果に基づき、現地の状況に精通しているチーム王冠の指示で配布先を選定しました。


最初の配布は石巻市内です。配布先のお宅には前もって電話連絡をします。
チーム王冠は自宅避難者を地域でグループ分けし、各グループでリーダーさんを立てています。リーダーさんは傘下の各家のお名前や顔、家族構成、お仕事などを把握してくれていて、物資配布などの際に窓口になってくれます。いわば世話役です。リーダーさんのおかげで物資配布は効率よく公平に進められます。リーダーさんの手間は大変ですが、支援活動では欠かせない存在です。

配布先に到着するとまずリーダーさんに声をかけます。リーダーさんは配布先の家の場所を案内してくれたり、時には自ら対象のお宅に声をかけ、受け取りに来るように促してくれたりします。今回配ったストーブは比較的軽かったので、ご自分で受け取りに来て運ばれる方も少なくありませんでした。おかげで、大きなトラックで住宅街をぐるぐる回ったり、台車を押して歩く手間が省け、とても効率的に配ることができました。これもリーダーさんのおかげです。

なお今回のストーブには、横浜の大学の先生と学生さんたちのグループから預かった「おまけ」を付けることができました。使い捨てカイロやお湯で割る温かい飲み物、メッセージカードが入っているそうです。大学チームの皆さんには、日ごろから食糧支援(エンゼルボックス)などでもご協力いただいています。今回もご協力ありがとうございました。受け取った皆さんもとても喜ばれていました。

こんな様子で1日目は3グループに配布できました。配布先のお宅ではお話を伺うことが多く、ついつい長話になってしまうことも少なくありませんが、お話を伺うのも大事な活動です。お話しの中から今困っていることや必要なものが見えてくるからです。

ちなみに旧北上川の河口に近い地域で伺った話によると、9月の台風15号で避難勧告が出て、また浸水してしまったそうです。3月の震災の時にはおおよそ2メートルぐらい浸水してしまった、被害の大きい地域ですが、9月も膝ぐらいまで水が来たそうです。3月に車が流されて、その後改めて何とか入手したら、また流されてしまった人もいました。9月の台風被害にについては、その後の報道が少ないようですが、被害は思った以上に大きかったようです。このことも心に留めておいて頂ければと思います。


2日目は宮城県南部の沿岸部、山元町に行きました。ストーブ配布先は1グループです。
山元町や隣の亘理町も3月の震災では、甚大な被害を受けました。新聞やテレビでは、震災直後はともかく、最近ではあまり目や耳にしなくなった地名ですが、決して復興が進んだわけではなく、むしろほかに比べて遅れている印象の地域です。津波で全壊、半壊しそのまま放置されている建物も少なくありません。主な産業は漁業と農業(稲作など)ですが、やはり耕作された田畑はほとんど見られませんでした。





今回初めてみなさのお志をストーブに変えて配布できたわけですが、受け取られた皆さんはとても喜んでおられました。10月になると朝晩は寒いとすら感じる日も多く、暖房器具のない生活は不安が募ると思います。
配布済み台数は42台。2台が配れませんでしたが、これは支援対象のグループ単位で配布しているので台数を確保する必要があるためです(2台だけ先行して配ることはしていません)。
チーム王冠が取りまとめたアンケート結果では、まだまだ配らなければならないグループがたくさんあります。必要な台数も100台単位です。現在、第2回の配布を行うため準備中ですが、季節は日々進み寒さも厳しくなってなっていきます。残された時間はあまりありません。できるだけ早く、かつ大量に支援できるように、皆様のご協力を心からお願いいたします。

ご寄付の受付についてはトップページをご覧ください。


==必要経費報告==
トラックレンタル代:    52,212円
燃料代:           22,518円
高速・有料道路通行料: 13,262円
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合計:            87,992円

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